きみの子午線をたどる旅/ただのみきや
にしないための闘争が
言葉によりただ延々と
*
くり返される女があった
棚に上げることのできない
明日の琥珀が目交いで剥かれていく
共時性と書かれた片方の靴が
大気の舌で形象を滲ませていた
寛大さから滴る大量の汗
荷車で運ばれて行方不明になった
記憶と青い臓器たち
壁を走る魚影を貫いたままペンは化石化する
その間もゴミ収集車が何度も
回転ドアを通り過ぎて行った
遺灰からより分けられた卵巣
卒塔婆の体温計は平熱を示す
睫毛の痙攣と寡黙な過呼吸
夏の蜂が刺す場所に迷うほど
対峙すればいつも球体
*
脆弱な身体と
社会性はそのままに
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)