正風亭(推敲後)/武下愛
。微笑みで固まる事はありません《見た目、行動を、場面によって変えなくては生きていけない》
とどまらぬ。
きせつもたまき。
うつるつき。
正風亭には、私が創造した季節の匂いがします。庭を掃除して、庭を拝見なさる御客様を想い、拾った赤と黄色の鮮やかな葉に手心を加えるように散りばめました。風習でもあります。刺激を与え、影響を及ぼし、感じ方、効果はそれぞれです。
店先に移動して、桜の花弁が風に舞い散っていく様を飾り彫りした磨り硝子をはめた、引き戸を横に滑らせて店に入ります。大工さんに作りあげて戴いた樫の卓には、隣り合っているけれど、離れ過ぎていない五席だけ、樫の椅子が横に並んで在りま
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