正風亭(推敲後)/武下愛
 
てしまうでしょう。存在する事が当然に成る可能性があるでしょう。じしょうにとらわれず、私だけは美しい寒椿の事を覚えていますから、なるべく苦しまれませんように。うつろい私から離れていくモノへ。心も体も健康でいられる事を鞭むちで強く打つより、もっと強くおもっています。けっして口に出せません。重荷に成れば、散ってしまうでしょう。冬にしかいらっしゃらない御客様へ思い馳せます。あの方は口先をへの字にしかめた顔をされて。同じものを頼まれて何時ものように黙られるのでしょう。逃げ場所がないという事は休まる事がないという事でしょう。正風亭が逃げ場所でいらっしゃればよろしいのですが。孤独を愛する方もいらっしゃいます。微
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