それは素粒子よりも細やかそれはあやとりそれは贈り物/武下愛
ないほど空間をなみなみと満たす空気水。蹴り上げれば浮遊する動けば緩やかにさせる澄んだ水。知らないから、何も感じない思わない考えないという人々は無関心。核が無くても泡という真珠だけを産む貝を捧げると、核が無くても沫という水晶だけを産むスペクトラムを水が染み込ませてくる。現象のパレットにスペクトラムを絞り出して、教養の絵筆でスペクトラムを。子供。盲目。色盲。不知案内。残酷。鈍感。無慈悲。無関心。な。知らない人々に染み込ませてしまう。
それぞれに透明糖を投げる。気に入らないと自作の透明糖が返ってくる。糖だからって甘いわけじゃない。
微光よりも、ほのかな微光だった頃、私達が滴らせた全素。それぞ
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