詩の日めくり 二〇二〇年十一月一日−三十一日/田中宏輔
 
。翌日、社長が自殺したことを知らされる。バーテンに訊かれる。「この2年間どこにいらしてたんですか?


二〇二〇年十一月十五日 「酔いどれ船」


 さいごの9作目は、コードウェイナー・スミスの「酔いどれ船」第三宇宙を旧型のロケットで、第四地球から地球に一瞬にして航行してきたアルチュール・ランボーは、恋人のエリザベートに会おうとしていた。物語は複雑だが、要点はこういうものだった。「人間同士のあいだでは、うそだけが真理だ。」(宇野利泰訳、330ページ、6行目)という言葉が印象的だった。

 きょうから、寝るまえの読書は、『年間SF傑作選5』の再読である。目次を見ても、記憶しているもの
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