詩の日めくり 二〇二〇年十一月一日−三十一日/田中宏輔
1作目は、ウィリアム・テンの「新ファウスト・バーニー」地球を宇宙人に売り渡しかけた男の話。
2作目は、アルフレッド・ベスターの「ジープを走らせる娘」これは、このあいだ読んだベスターの短篇集『世界のもうひとつの顔』にあった「昔を今になすよしもがな」である。地球に残ったさいごの男女の物語である。物語のさいごのところで、他の生き残りがいたことがわかるのだが。
3作目は、フリッツ・ライバーの「二百三十七個の肖像」亡くなった偉大な俳優である父親の肖像が、不逞の息子と話をする。肖像は自分を壊せと息子に迫るが、息子はそれを拒否する。ぼくも、この作品と同じ設定で、「陽の埋葬」を書いたことがあっ
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