白い蝶/ただのみきや
 
いる
クマのぬいぐるみに仕掛けられた懺悔
まんまと他人の内臓をつかまされる
ヒマラヤが爆発した日の太陽みたいに
光の綿毛がすべての眼孔を埋め尽くす
静かなラッパが人々を数珠繋ぎの唖にする
今はまだ死ぬほどではないきみは生きて
浅い呼吸で世界と交合中だ


車の屋根に雨音が響く
リバーブが深くエフェクトされて
メビウスの輪のよう
境目もなく眠りにすべり落ちる
体内のどこかが宇宙に?がっている

黒髪の蛇を懐に滑らせて
空気は雨の匂いのする一匹の獣に変わる
美しすぎる幻は毒でしかない


継目のない時間をしきりに区切ろうとした
狩り蜂
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