白い蝶/
ただのみきや
り蜂のふるえる触覚
言葉の痛点
口角だけの微笑みに隠れた広大な空白地帯
液化したこころは低い方へ
叢の囁きをくぐりぬけ
石の乳房にたどり着く
舌の上に立てられたやわらかな墓
巧妙にずらしながらも
軋む眼差しのニアミスに
恥骨から剥離した白磁の蝶は嵐に群れて
瞑ったままの声を傷だらけにする
《2022年6月18日》
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