透過の雨/ホロウ・シカエルボク
 

ねぇ、交換手
沈黙する世界にオーダー
出来れば君が最期に
どんな悲鳴を上げるのか聞かせてみてはくれないか…?

時折は猛烈に暑く照りつけるけれど
スープの中央のパセリみたいに
そこかしこに雨雲が浮かんでいた今日、日中
そんな景色の中を歩いていたら
ある日激しい夕立の中で
痛みすら心地よく感じていた世代を思い出した
あの頃、誰もがこぞって歌いたがってた時代
感情に細工なんかまるで要らなかった、たまに
どうしてあんなふうに生きられたのだろうと
意識と無意識の渦の中で
喧しい詩になった俺は考える
きっとまだ何もかも知らなかったせいなのさ、なんて
古いフォーク歌手なら
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