詩の日めくり 二〇二〇年九月一日─三十一日/田中宏輔
 
ジェスト版が出て、ダイジェスト版のダイジェスト版が出て、しまいには……という具合になった。

 9作目は、デーモン・ナイトの「早熟」胎児の段階から意思を持ち、母親に小説を書かせたりする。生まれたときには、ふつうの赤ちゃんになっていた。

 10作目は、ハワード・ショーンフェルドの「創作論理学入門」主人公の著述家が、自分の作品にふたりの自分を書き込んで、そのうちのひとりを殺害する。さっぱりわけのわからない作品だった。

 11作目は、ウィリアム・テンの「地球解放」宇宙種族の2大勢力に交互に征服され解放される地球人。真の解放は? という話。テンの作品にしては退屈なものだった。

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