詩の日めくり 二〇二〇年九月一日─三十一日/田中宏輔
ロエーと抱き合って接吻するだけだったのだ。しかし、手ほどきを受けても、それをすぐにクロエーにすることはしなかった。
121ページの終わりから122ページのほうに出てくる林檎の木のいちばん高いところに実っている林檎の実がとてもすばらしいものであるというところは、だれも手を伸ばせないところにあるというのは、サッフォーの詩を思い起こさせる描写である。たぶん引用もとがサッフォーの詩なのであろう。
獲るのに勇気のいった林檎の実をダフニスはクロエーに贈る。
149ページで、捨て子だったダフニスが領地の主人の息子だったことがわかる。
163ページで、捨て子だったクロエーも裕福な家の
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