彷徨いの中にしか人生はないのだと思うことがある。/ホロウ・シカエルボク
ンク・ロックの言葉を借りれば、これは戦争だ、その通り、これはすべて戦争なのだ、愚か者と同時に戦争が生まれる、被弾しないだけ膿んだ肉体のように長く蝕み続ける、ひとりきりで語れないのならば、どんな言葉も口にするものではない、立体交差のどこか不安定な印象は長く残り続ける、いつだったか大雨が降った日、女が一人あそこで車ごと水没して死んだ、時々激しい横風が吹く、そんな風の中には誰かの声が隠れていて、なにかを囁き続けているような気がする、赤道直下の時刻を指した腕時計を巻いている、無意味なものにすがりつく瞬間が欲しい、蛇行運転の原付が白バイに追われている、本当の勇気とは誰にも自分を教えたりしないことだ、ずいぶん
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