彷徨いの中にしか人生はないのだと思うことがある。/ホロウ・シカエルボク
いことだ、どんなに揺さぶったところで彼らは二度ともう起き上がって目をこすったりすることはないのだから、アスファルトの亀裂の中に詰め込まれた落葉、去年の冬からもしかしたらそこに居たのかもしれない、彼らを見るたびに思い出すものは、菓子を砕くような頼りない破壊音だけだ、どうする、どこに向かう、幾度となく現れる四つ角が問いかける、あえて答えることなく気の向くままに足を動かす、この世界にはどの筋にも、宝箱もなければ極悪な罠もないし、空間を移動出来る転移門もない、目の描かれない肖像画のような世界が淡々と広がっているだけだ、おぞましいものはすべて、その中で暮らしている粘液のような人間たちが作り上げる、古いパンク
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