炎天下と青空/末下りょう
 
いたタマネギと皮をむいてフリーザーバッグに入れておいたニンニクを掴み、調味料とオリーブ油、パスタボトルを棚から取って並べ、鍋に水を入れて仕切り直すと、「手抜き」と「手を加えるな」が見分けのつかない速さで空腹と足りない頭を駆け巡り

油まみれのコンロを点火するとガスの臭いに紛れて命が燃える匂いを嗅いだ気がした


真っ白な紙がテーブルの隅でゆれている





─階段の途中で──


力を手に入れることはその力ではどうにもならない者との出会いを生きること
英雄として存在の奇妙さに踏み入ることはできない ━


母の代理で参加した公園の清掃で手際よく割り振られた
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