詩の日めくり 二〇二〇年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
かった。作中作はゾンビ映画の脚本だったので、いちおう怪奇ものの短篇ということになるのかな。


二〇二〇年七月二十四日 「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」


 クライヴ・バーカーの「魔物の棲(す)む路(みち)」は、ダーレスの「淋しい場所」を思い出させる雰囲気だったけれど、さいごの場面が唐突すぎて、それまでの物語と乖離しているような感じがした。さいごの場面をどうにかしたら、ずっとよい作品になっていたような気がする。

 トマス・テッシアーの「餌(えさ)」はホラーといっても、魔物が出てくるんじゃなくて、ただ太った女性が出てくるだけで、食べることに執着した女性に、さいご
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