詩の日めくり 二〇二〇年七月一日─三十一日/田中宏輔
食欲だった。日知庵でまかないで出してもらった鰻丼とサラダやおかずを食べたあと、帰りにお土産でもらった赤福まんじゅうひと箱と、とんかつ弁当を部屋に戻って、1時間ほどかけて食べた。たぶん、いままで食べた量のなかで最高だったと思う。どれもみな、おいしかった。
つぎは、デニス・エチスンの「血の口づけ」を読んだのだが、作品のなかの作品というか、脚本仕立ての作中作のアイデアはいいとしても、地の部分がよくわからないもので、作中作はわかるものだけに、読んでて、もやもやした気になった。
そのもやもやを解消するために、地の部分を、地の部分だけを、もう一度、読み直した。意味はわかった。怪奇ものではなかっ
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