時の落とし仔 地の逆仔/ただのみきや
開させる
狂信の発芽に蠅たちが視覚化するオノマトペ
その廃棄された祈りの先端に原色のリボンを結んだ手を求めて
溶けたガラスの海を渡った 孤独な心音を模倣して
薔薇は回転する 二足歩行のリズムで血を流しながら
狙いを定めた盲人の一瞥に魚雷を予感した抜き身の性の律動
羞恥を極めた透明な肉体が具現化されるまでの言い訳を
金鎖を持て遊ぶように全ての眼鏡を指先で響かせながら
虹色の猿を欲しがって止まない目耳の群れをすり抜ける
濃い光と影の境界を泡立てながら推力を得る舌の上
雲間に浮かんだ憂鬱な三角錐 遠雷と散華の日々
掌からはみ出した季節の円環に巫女たちの祝詞の唾がかけられる
冷
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