鼓笛隊は反旗をひるがえす/ただのみきや
 
変えられた人間の地下茎に
真綿の無邪気さに包まれた罪のふくらみがある


忘却の水から逃げるように互いに鋭い欠片を込めて
重ねた手 手の中に隠した心中


獅子の口を持った金星が会話の溺死者から時計を盗る
ベッドの中で太陽を齧るおまえは暗黒


たどる
草木に触れながら
光の中を
そして光はわたしの中を

このゆらめきはわたしではない
光はわたしを現わさない
全てのものは光と衝突し姿を現わすが

楽器ではない
わたしは声だ
永遠の眼差しが虚空から孵したもの
わたしは感じる者 
歌う者 歌は踊り

ああ眼差す者
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