朝焼けの空を眺め/秋葉竹
夜が明けるまえに
聴こえる悲しみのなかから
海の音を選んだのは
この国で恋を失った人魚が
そこで泣いたと聴いたから
夜の花がしおれてゆき
夜は最後の呻めき声をあげて
抱きしめてくる朝日から
逃げはじめるのだ
裸足のままで
あしたの夜へ歩いてゆく
そして僕は
ずいぶんとむかしから
そこにいたのかもしれない
夜明けにみつけられた
一匹の蝶がひらひら舞うのを
一幅の絵として描くことができる
絵描きになりたい
そして僕は
むかしからの時の流れ
その虹色の道をみつけ出し
全力で走ることができる
少年の目を持つものになりたい
そしていま
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