朝焼けの空を眺め/秋葉竹
 
いままた知るのだ

時が流れる
濁流のなかにその身を捧げて
時の流れをとどめようとした
聖女もいた
それも夜ともなれば
泣いてばかりいる銀髪の彼女


だれか
この街に住む人々の
真実の心を教えてくれないか
人の心はどんなに正しい人の目でも
人の目にはみえないと聴くものだから
どんなよこしまな妄想も
光り輝く理想とされてしまう
ことにもなる
この街では


夜が明けるまえに
聴こえる悲しみのなかから
この街の人々の声ではなく
あの海の音を選んだのは
とても正しい選択だったと思う

朝焼けの空を眺め
その正しさに
透明な涙を流すほどには












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