断層の誕生/ホロウ・シカエルボク
いる?人は間違える生きものなのだ、間違えることで自分自身を知っていく、自分自身の愚かさ、危うさ、幼さ、そんなものを抱えて生きるために生まれてきたのだと思い知らされる、それからが人生だ、それらすべてを受け入れ、なおかつ、それを抱えてどんな道を歩くことが出来るのかと、長い時間をかけて俺はそうした認識のスタートラインに立った、その間、社会はだんだんと間違えないことが重要だというように変わり始めた、自分は何も間違えていない、なにをやらかしてもそんな風を装うようになった、もう彼らには歩むべき道すらありはしないのだ、彼らの名前はシリアルナンバーと同じだった、量産される同じ部品のひとつだった、俺は寒気がした、そ
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