詩の日めくり 二〇二〇年四月一日─三十一日/田中宏輔
を待っていたんだけど、フトシくんはまだ店があったからなんだけど、フトシくんが部屋に戻ってくるまで、彼が持ってたムルムとかいうゲイ雑誌を眺めたりしてして過ごしていたんだけど、そのうち彼が部屋に戻ってくると、「おしりを見せてくれる?」と訊いてきたので、「それは恥ずかしい。」と返事したのを覚えている。3回目に会ったときは、セックスはしなかった。ぼくがムルムを見てオナニーをしたと言ったからなんだけど。でも、その3回がふたりでじっくり会った回数だった。絵を描くのが彼の趣味で、何枚もの絵を見せてくれた。なんで続かなかったのかって言えば、ぼくがフトシくんから毛じらみを移されたからだった。性病にかかったのは、それ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(16)