詩の日めくり 二〇二〇年四月一日─三十一日/田中宏輔
んだけど、客は男女の一組しかいなくて、女がひもを持っていて、そのひものさきに男の首があって、その男女はソファにもたれながらゆったりとしていた。フトシくんは、ぼくと同じくらい背が高くて、180センチくらいあって、ぼくはぽっちゃりだったけれど、フトシくんは高校時代にラグビーをしていて、部屋に行ったときに県大会に出たときの写真なんかを見せてもらったけど、カッコよかった。で、三回目に会った夜に彼が共同経営しているSMクラブで、彼がカラオケで、ユーミンの「守ってあげたい」をぼくのために歌ってくれて、そのときのフトシくんの歌い方がめっちゃカッコよくってしびれたんだけど、先にぼくが彼の部屋に戻ってフトシくんを待
[次のページ]
戻る 編 削 Point(16)