詩の日めくり 二〇二〇年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
らちらと見ていたのだったかな。そのあと彼の部屋でメイク・ラブするまでの記憶はいっさいないのだけれど。メイク・ラブしたあと、ぼくは京都に帰って、それから1週間後にまた会ったんだけど、つぎは、ぼくの部屋で会ったんだと思う。下鴨に住んでたとき、一階が美容室で、二階、三階がマンションになってたのだけれど、ぼくは二階に住んでて、隣のバール・カフェ・ジーニョには毎日のように行ってた。ブラジル・コーヒーの専門店で、ブラジルの料理とかも出す店だった。3回目にフトシくんと会ったのは、大阪の守口にあった彼のマンションで、その会った夜に、彼は共同経営していたSMクラブに行かなくちゃならなくて、ぼくもそのお店に行ったんだ
[次のページ]
戻る   Point(16)