毒 という/soft_machine
 
いただの吐瀉物と芳香/親による鋭い折檻
で/傾けない裸木/取壊されてゆくビル/串を埋めこまれる鮎
の口/それら直立するものたちの/気持ちもすこしは理解して
きた/成長線から手切られ/歌を唄うには障害だから/その小
銭を積み重ねたら/一晩のジャズが聴こえてくるなら/心で幾
つもの記憶を改変することが/どれほど容易いものだろうか、

/自己実験には手頃な癖のひとつにすぎない/女とたばこと、
どちらが/大切? そんな頓珍漢は要らない/風がかがやく度
に/翼が影をかわかすところ/人のいのちの積み嵩を焚きあげ
る/どこか切なく/おかしみを纏う/背中をまるめ屋根の端に
陣を/かまえなく
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