毒 という/soft_machine
なくてはならない後ろ姿を/いちいち探さなくて
もいい
何か物足りないから/どこか不安定だから/いいかげん、飽き
たから/異臭を発する交接にどうして狎れたか/くだらない戯
れ言に/どうして虚無を絡めてしまうか/訳のわからないもの
が好きだから/花屋の無言につつまれてあるうちに/いつしか
要らなくなっていた
歌声を択んだ
小銭を掴んだ
それで海のむこうの小鳥を愛でる
禁を破る退屈があって
こうして吹きすさぶ北風につつまれたわたしは
ひとつの燃えさかる恒星に降り立つ
それでいてこごえる目をつぶる
家を失い考えることばも見つけられない
ひとりの女のくちびるに太陽がふれた
あしたはどこにも見えてこなくとも
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