詩の日めくり 二〇二〇年三月一日─三十一日/田中宏輔
んとも形容の仕方がないシロモノだった。
二〇二〇年三月二十五日 「子どもって残酷だね」
子どもって残酷だね。いや、ぼくが残酷だってだけの話なんだけど、子どものころ、まだ小学生の低学年だったと思うけれど、大谷さん(うちの墓があるところね。)に行く途中、顔がやけどかなんかで醜くなっていた女性が二人連れで歩いていたのを見て、「あ、お岩さんだ。お岩さんだ。」と弟たちとはやしまくって追いかけたことがある。これまた幼いときのことだけど、家にきていたあんまのおじさんには、親のいないところで、「めくらのおじさん、めくら、めくら。」と言ってからかったことがあった。いまのぼくには考えられないけれ
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