詩の日めくり 二〇二〇年三月一日─三十一日/田中宏輔
おいしそうにしていたからジミーちゃんといっしょに、こちらも注文しようということになって頼んだけど、完全に失敗だった。そういえば、隣でおいしそうに食べているからっていって、こちらも注文して失敗した経験がもう一度あった。これまた、ジミーちゃんといっしょに行った北山のフィリピン料理屋の店で、隣の席に坐っていたカップルが豚の耳のハムを注文したので、めずらしいので、ぼくらも注文したのだが、出てきたシロモノの臭さといったら、ほかに比べるものがないくらいひどくて形容の仕方もないぐらいに臭くて、けっきょくジミーちゃんも、ぼくも食べずに店を出たと記憶している。ほやは生臭かったと、まだ形容できる。豚の耳のハムはなんと
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