詩の日めくり 二〇二〇年三月一日─三十一日/田中宏輔
 
いがいやだったので見たのだろうが、古川町の横を流れる白川橋のところにある大きな岩にフナ虫みたいなものがびっしりまとわりついていたのを目にしたことがある。これなんかは、お使いが嫌で見た幻覚だったのだろうね、きっと。


二〇二〇年三月二十三日 「箴言」


自己を否定することができる者だけが、他者を否定することができる。


二〇二〇年三月二十四日 「ほやと豚の耳のハム」


 ほやというものを一度だけ食べたことがある。生臭くて、一口、というか、ひとなめで食べるのをやめたけど、北山に住んでいるときに、畑の真ん中でやっていたおしゃれな居酒屋さんで、隣の席のひとが頼んでいて、おい
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