詩の日めくり 二〇二〇年三月一日─三十一日/田中宏輔
発展場と呼ばれるゲイ・サウナに行くか、ポルノ映画館に行くか、ゲイ雑誌の文通欄で知り合うしか方法がなかった。ビッグボーイもそういう文通欄で知り合った男同士が出会う場所のひとつだったのだなと思った。ビッグボーイのことはときどきゲイ雑誌に出てきていたから、当時は、相当の数のゲイが利用していたのだろうと思う。出会いの場所として。そんなことは後になって知ったことで、学生時代にはまったく知らないことだった。純粋にジャズとコーヒーと友だちとの会話を楽しむ場所として、ビッグボーイに通っていた。
二〇二〇年三月十四日 「ボマルツォ公の回想」
『ボマルツォ公の回想』を読み終わった。いままでに読んだ
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