平和主義者の丑の刻参り/ただのみきや
 
が床や壁を這い回る

音楽は水だ
天から注ぎ地から湧き
ある時は激しくある時は悠々と
流れて 流れて
生命の潮騒に消されてゆく
何度も 何度でも

言葉は飽きることのない玩具
わたしのレゴ
ひとり黙々と作る楽しみを
寂しいなどとは思わない
この「独りきり」を奪われたくない

人の心は否応なく海綿状で
耳目から吸収して影響される
気付けばCMソングを口ずさんでいたり
ニュースでみな似かよった恐れや怒りに囚われる
同じ巣の蜂の群れのように
一つながりの情報による連動体
社会的であればあるほど
寂しければ寂しいほど
無意識に孤立しないように
集団の中の立ち
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