平和主義者の丑の刻参り/ただのみきや
 

その残像には匂いがあった
秘密から剥離した薄いささやきを食べて
わたしたちの舌は青い





頬を焦らす火の時間

きみは言葉を食べたか
まさか剥かずに食べたのか

耳に纏わる
風の落とし子

ああ君の気持ちがせめて
コップ一杯の冷たい水に変わればよかったのに





ウグイスはうたう

人はみな自由
自分の奴隷になるか
自分の主人になるか
違いはそれだけ

空気が動くと風
風が止まると空気
根本同じでもどちらを読むか
人は随分違って見える





光をください

光を下さい
さあわたしの
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