すべてが所詮は呪縛という名の遊戯であるのなら/ホロウ・シカエルボク
 
言った
十代を説き伏せるみたいなやり方はよせと言ったら
お前の中にはまだ思春期ってやつが生きているだろう、と
静かにゆっくりそう言って勝手に背中を向けた
俺は瞬きをして鏡に手のひらをつけたが
すでに虚ろな目の俺が同じように手のひらをつけているだけだった

語られる時、語られるべき時というものが
様々な瞬間に点在する
古いレースゲームの
味気ないフラッグみたいにさ
その時、どんな声が聞こえたか
その時、なにを口にしたのか
人間は我知らずその先を求める
まさに呪縛さ
与り知らぬところでそいつは息をし続けているんだ

詩情の濁流に飲まれ
腕を伸ばし続けてきた俺は

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