すべてが所詮は呪縛という名の遊戯であるのなら/ホロウ・シカエルボク
果たして俺自身だろうか?
あるいはそんな
どこかで口にした、耳にしたものに
憑依された傀儡ではないだろうか?
俺は時々自分の身体を痛めつける
そこに確かに血肉があることを知ろうとしているみたいに
俺たちみんな幽霊さ
それを怖がる連中が
誰かの作った列にならんで胸を撫で下ろしている
子供の頃から
そんな列に並ぼうなんてこれっぽっちも思わなかった
幼いころから胸の内側で
激しく騒いでいる怪物の声を聞いていたからさ
そいつは俺を決して満足させてはくれない
だから疑うことなく
そいつの声と共に俺も声を張り上げる
それが心なら
それが熱なら
それが
まだ知らぬ俺自身の真意なら
語らなければ嘘だ
叫ばなければすべては嘘になるんだ
飲み飽きた血を吐き出して
最初の一言を探し続けている
それは
生まれることも無ければ
きっと死ぬこともないだろう
生温い風の中
俺は目を閉じる
雑多な喧騒に混じって
ほら
また
語るべき時はやって来るだろう
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