詩の日めくり 二〇一九年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 

(J・G・バラード『希望の海、復讐の帆』浅倉久志訳)

マベル、恋をすることよりも美しいことがあるなんて言わないでね
(プイグ『赤い唇』第二部・第十三回、野谷文昭訳)


二〇一九年十三月十二日 「断章」


どんな人間の言葉も真実ではない。
(ペール・ラーゲルクヴィスト『星空の下で』山室 静訳)

ぼくだってどこに真実があるかなんて知っちゃいないさ。
(コルターサル『石蹴り遊び』41、土岐恒二訳)

そも人間の愛にそれほど真実がこもっているのだろうか。
(エミリ・ブロンテ『いざ、ともに歩もう』松村達雄訳)

言葉は虚偽だ。
(ヴァージニア・ウルフ『波』鈴
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