詩の日めくり 二〇一九年十三月一日─三十一日/田中宏輔
自分の妄想のとりことなっている人間ほど不幸なものがまたとあろうか?
(パスカルの『パンセ』第二篇・八七に引用されているプリニウスの言葉、松浪信三郎訳)
愛もある限度内にとどまっていなければならない
(プルースト『失われた時を求めて』第四篇・ソドムとゴモラ?・?、鈴木道彦訳)
二〇一九年十三月八日 「断章」
平和とは黙って愛することだろう。だが、意識があり、人格がある。つまり語らねばならない。愛することが地獄になるのだ。
(カミュ『手帖』第五部、高畠正明訳)
地獄というのは、奥さま、もはや愛さないことなのです。
(ベルナノス『田舎司祭の日記』三野博司訳)
[次のページ]
戻る 編 削 Point(13)