詩の日めくり 二〇一九年十三月一日─三十一日/田中宏輔
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どんな愛にもそれなりの深い悲劇があるということ、それはしかしもう愛さないということの根拠ではない。
(ヘッセ、一九〇三年六月二十一日付のチェスコ・コモ宛の手紙より、ヘルマン・ヘッセ研究会訳)
二〇一九年十三月九日 「断章」
心というものは、それ自身
一つの独自の世界なのだ、──地獄を天国に変え、天国を地獄に
変えうるものなのだ。
(ミルトン『失楽園』第一巻、平井正穂訳)
出来のよい頭脳はいずれも、自らのうちに二つの無限、天国と地獄とをになっており、そしてこの二つの無限のどちらかのいかなる映像(イマージユ)を示されても、ただちに自分自身の半分を
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