詩の日めくり 二〇一九年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
も早くうたがい、愛するひとが否認することにむしろたやすく信を置くのである。
(プルースト『失われた時を求めて』第四篇・ソドムとゴモラ?、井上究一郎訳)

私の愛情の大きさは、それはそのまま私の心配の大きさ。
(シェイクスピア『ハムレット』第三幕・第二場、大山俊一訳)


二〇一九年十三月六日 「断章」


不幸な人はどうしてあんなに言葉たくさんなのだろう。
(シェイクスピア『リチャード三世』第四幕・第四場、大山俊一訳)

愚者は言葉を多くする、
(旧約聖書『伝道の書』一〇・一四)

 それにしても、目立つ愚かさと目立たない愚かさとがある場合、どうして後者を選ぶことを
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