詩の日めくり 二〇一九年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
ン』川村二郎訳)


二〇一九年十三月二十九日 「断章」


「所詮(しよせん)人の一生なぞなにものでもない」
「しかしその一生がわれわれをなにものかにするのです」
「いつもそうとはかぎらないさ……きみは一生からなにを期待するのかね?」
(マルロー『王道』第?部・2、松崎芳隆訳)

いったい、おれは何を望んでいたのだ。
(ユイスマンス『彼方』13、田辺貞之助訳)

俺の災難はもっと遠くの方からやって来る。俺自身からやって来るんだ。
(ジュネ『囚人たち』水田晴康訳)


二〇一九年十三月三十日 「断章」


人は一生、暗やみと、悲しみと、多くの悩みと、
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