詩の日めくり 二〇一九年十三月一日─三十一日/田中宏輔
魂の他のどんな状態にもまして、悲しみは、人間の性格や運命を深く洞察させる。
(スタール夫人『北方文学と南方文学』加藤晴久訳)
増大する苦痛が苦痛の観察を強いるのです。
(ヴァレリー『テスト氏』テスト氏との一夜、村松 剛・菅野昭正訳)
二〇一九年十三月二十三日 「断章」
地上の人生、それは試練にほかならないのではないでしょうか。だれが苦痛や困難を欲する者がありましょう。
(アウグスティヌス『告白』第十巻・第二十八章・三九、山田 晶訳)
人間がときとして、おそろしいほど苦痛を愛し、夢中にさえなることがあるのも、間違いなく事実である。
(ドストエフスキー『地
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