詩の日めくり 二〇一九年十三月一日─三十一日/田中宏輔
?部、川村二郎訳)
二〇一九年十三月十六日 「断章」
「愛されている人」というのは、厳密に考えると、愛とは何の関係もないまったく別の問題である。愛は、愛している人にだけあるもので、
(ジンメル『愛の断想』52、清水幾太郎訳)
われわれの愛と呼ぶものを構成する思考の大部分は、恋人がそばにいない時間のあいだにわれわれにやって来るものだからである。
(プルースト『失われた時を求めて』第六篇・逃げ去る女、鈴木道彦訳)
肉体の愛は反応にほかならない。
(E・M・フォースター『モーリス』第四部・43、片岡しのぶ訳)
二〇一九年十三月十七日 「断章」
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