アルカイック・モノローグ/ただのみきや
 
られたシロイルカの脇腹の深く裂けた傷の中
通りすがりのママチャリから引き抜いたサドルを抱いて寝た
あの夜サドルはサルバドール・ダリの顔でのけ反って
液化した言葉を零しそれはぼくの肉体で糸を引いていた
あれはオクラとイクラの和え物
バイセクシャルでバイリンガルなバイスクル風の
人力車だったのかもしれない
太陽の中で消炭のアイコンへ変り
サイフォンは砕け散る
棚から牡丹餅が落ちるくらい見事にだ
ああ直立する不動の無知よ
明日ぼくは父(パパ)になって辞典者リンリンしたい





たましいなんて

毬栗や雲丹の中身が最初から空だったら
それは奇妙なこと
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