はぐれものの夜/ホロウ・シカエルボク
つ変わり得ないものがあるとするならば、人間としての至極尤もな理性だろう、それが例えば音や文章、絵画や造形といったものの基本に忠実であるはずがない、むしろそれは逸脱するべきものだ、もしも描きたいものが形式としての理想郷でないのなら―もっと根源的な理由でもって、それを追い求めているのなら…それは比較対象や定規を必要としないものだ、無理矢理言葉にしようとするなら、最も純粋な確信とでも呼ぶべきものだ、はぐれものの夜に更新され続ける光を見る、それは太陽の光よりも強い、それは太陽の熱よりも熱い、肉体との直接的な通電だ、生は歪みによって饒舌になる、ならば歪み続けることだって怖ろしいとは思わない、どんなものであれ
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