詩の日めくり 二〇一九年十二月一日─三十一日/田中宏輔
っている。共同翻訳者がいるが、翻訳作業は別々だ。ぼくの翻訳が彼女の翻訳に劣ることがないようにがんばろうと思っている。
二〇一九年十二月十九日 「夢」
目をひらかされて、目がさめた。手を引っ張られて起き上がった。手に歯ブラシを持たされてチューブをひねらされて、歯を磨かされた。それから着替えさせられて、靴を履かされ、玄関で後ろから蹴られるようにして家を出ていかされた。
二〇一九年十二月二十日 「詩論」
詩人や作家や芸術家が自分のつくった作品を見て何を考えるのか、ぼくは知らない。ひとそれぞれで、またひとりのひとにとっても、作品ごとに、また同じ作品でも見るときど
[次のページ]
戻る 編 削 Point(15)