詩の日めくり 二〇一九年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
んなんだろう。まっとうな生き方をしてこられた方の真摯な作品をまえにして、なんだか恥ずかしい思いをしてしまった。安心して詩を読める幸せなど、めったに味わえない爽やかな気持ちだ。


二〇一九年十二月三十日 「清水鱗造さん」


 清水鱗造さんから、小説『なめくじキーホルダー』を送っていただいた。夜中に手をとって、早朝まで、一気に読まされてしまった。ラテンアメリカ文学にみられるマジックリアリズムの手法で描かれた日本版マジックリアリズムの小説だと思った。読んでる途中、目が離せなかった。相当な腕を持たれた詩人。


二〇一九年十二月三十一日 「レーモン・ルーセル」


 寝起きに目
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