詩の日めくり 二〇一九年十二月一日─三十一日/田中宏輔
うに。足裏を頬の上に置いて言ってきかす。まだ指があるのだと。指は緑の太い茎のようにポキポキ折れる。ドアノブもねじりもぎとることができる。と、きみに優しく言う。
二〇一九年十二月二十五日 「水沢なおさん」
水沢なおさんから、詩集『美しいからだよ』を送っていただいた。詩のなかでしか出会わない言葉というものがある。彼女の言葉がそうだった。個性的な詩人しか記憶に残らないが、彼女の詩は十二分に個性的だった。学ぶべき点が数多くあった。それにしても華麗でレトリカルである。
二〇一九年十二月二十六日 「考察」
せっかく答えの芽が出て葉を伸ばしても、実ができるまえに、問い
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