詩の日めくり 二〇一九年十二月一日─三十一日/田中宏輔
問いかけの獣たちが食べてしまうので、答えの実が結んだことがない。答えは、いたるところに生えているのだけれど、いろいろな問いかけたちが、すぐに見つけて、食い散らかしてしまうのである。それでも、答えはたえず生えてくるのだけれど。
二〇一九年十二月二十七日 「2011年10月2日のメモ」
友だちが言った、「お母さんを郵便局に預けると利子がつくよ。」と。利子のついたお母さんって、いいなあって思った。あれっ? じゃあ、お母さんを借りると、お母さんが減ってくの? いや、それでも、お母さんは増えてくのかな。どっちだろ。ううううん。どっちにしろ、お母さんは増えてくのかなあ。お母さんが増えると
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