パンドラがあけた大きい方の玉手箱/ただのみきや
老けてゆく天使
明るい傷口だった
セックスはままごと遊び
片っぽ失くした手袋同士
始めから気にしなかった
一個の果実のような時間
なにも望まなかった
白痴のように受け入れて
虐待され続けた犬のよう
なにかを養いながら
壊すように研ぐように
素晴らしき世界の自殺
ハートの形のサンドバッグ
太陽が笑うと雨粒全てが光を宿す
こころはパントマイム
紐みたいに互いの輪郭をほどいた
泡立つクリームの朝
メトロノームは少しずつ早く
頭の中は散らかったまま
光よりもきみはもう遠い
{引用
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