パンドラがあけた大きい方の玉手箱/ただのみきや
 
引用=正義と正義感}
仮装は楽しむため
変装は欺くため
変装の自覚のない人は
自分を欺いている?
自分に欺かれている?





名付けられないもの

愛は名付けようのないものに付けられた名
少しもじっとしていられないふるえる小鳥
ためらいも手加減もできない猛禽

得る前は天の果実
失われた後は残酷に抉られた肉の洞
その間にあった現実は真実とは限らない
感情の断片に彩られたモザイク画

いつからか人は愛を創作するようになった
逃げ出さないための小鳥の籠を
宙吊りにされたままの終わらない幸福を
叙事詩として 昔話や歌や小説として
映画にテレビ
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