言葉の煽情的ボディライン/ただのみきや
記憶の薄皮を剥いただけ
味わえるものはなにもない
声は倒れたまま
小さな花と対峙する
花の震えは歌だろうか
風の静止は死だろうか
わたしの嫌いなわたしの同族へ
ああ慣性で動いているだけの壊れたタイムマシーンに乗って
きみがきみを止めてしまっても世界は困らないが
媚びを売ったところで世界はきみを幸せにはしない
きみがきみらしく生きることで誰かが得する訳ではない
きみがきみ自身を摸索することに世界はあまり関心がない
だからきみのすでに表面張力の限界を超えて溢れ出した
過剰な自意識の滴りを今さら拭って言い訳せずに
悪びれることもなく自己の快
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